about Trio The Trip

今からさかのぼること３年程前。とある居酒屋（「熊」）の片隅で、僕（佐野）と渡瀬氏、宮澤氏が音楽談義を酒の肴に呑んだくれておりました。玉川上水駅から徒歩３分の場所にある小さなその店は、我らが母校、国立音楽大学の側に位置し、在学生もOBもきさくに集い、音楽に関する情報交換をする場所でもあります。その席で、各々ウーロンハイを片手に「トロンボーンとチェロ、フルートという『絶望的な組み合わせ？』でやったら、どんな音楽になるだろう！」という話で盛り上がっておりました。渡瀬氏と宮澤氏は昔からよく一緒に演奏をしてきた仲だったそうですが、彼らと僕はこの時点ではまだ演奏を通じてではなく、呑み友達としてこの店でたまたま知りあってきただけの間柄でした。そんなわけで当然お互いの生の音をまだ聴いてもいなかったし、まぁ、酒の席での冗談かと思っておりました。数日後、渡瀬氏から一本の電話がありました。

渡瀬：「ライブハウス予約したよ」

佐野：「・・・」

こんな経緯で「Trio The Trip」が発足しました。実際に演奏してみると、想像もつかない音の融合、包容、存在が支配し、お互いにお互いがインスパイアされていきました。オリジナル曲もカバー曲もレパートリーが増えていき、コンサートの回数を重ねるたびに異楽器の違和感などなくなってゆくのでした。これに共感、賛同してくれた各分野でのトップアーティスト達が徐々に集まり（Trio Thr Trip Friends）、そして彼ら（彼女ら）の音楽館や感性にもまた多大な影響を受け、現在の「Trio The Trip」になっています。

（佐野聡）